研修委員会
平成30年度
活動報告

職員の資質の向上を主眼に置き、特に新人研修・中堅研修など、職員のステージに合わせたプログラムを企画し、他の委員会や部会との連携共催をしながら、精神保健福祉に関する研修会等を企画開催した。

研修委員会

委員会開催及び活動

※印 委員会は、藤沢商工会館ミナパークにて17:30~19:30に開催した

委員会 月 日 場所 内容 委員数
第1回 4/18 28年度年度事業計画・基礎研修会Ⅰについて他 9
第2回 5/17 基礎研修会Ⅰ・その他研修事業について 8
第3回 6/21 基礎研修会Ⅰについて 8
第4回 7/19 基礎研修会Ⅰ・その他研修事業について 9
研修事業 7/27 ミナパーク 「基礎研修会Ⅰ」開催 10
第5回 8/21 基礎研修会Ⅱ・ハートメッセージについて 10
その他 8/29 青い麦の家 基礎研修会Ⅱ 講師打合せ 2
第6回 9/19 基礎研修会Ⅱ・ハートメッセージについて 7
その他 10/3 あけぼの ハートメッセージ実行委員会① 6
第7回 10/17 ハートメッセージ・基礎研修会Ⅱについて 10
その他 10/22 久里浜病院 施設見学会 講師打合せ 2
研修事業 10/25 ミナパーク 「基礎研修会Ⅱ」開催 10
その他 10/31 秦野市
文化会館
ハートメッセージ実行委員会② 10
その他 11/5 秦野市
文化会館
ハートメッセージ 会場打合せ 3
第8回 11/7 ハートメッセージ・全体研修会について 8
研修事業 11/16 秦野市
文化会館
「ハートメッセージ in 秦野」開催 10
研修事業 12/4 かながわ
県民
センター
「中堅研修会Ⅰ」開催 21
その他 12/13 ニュー
ウェルシティ
湯河原
全体研修会 打合せ 4
第9回 12/19 施設見学会・全体研修会について 10
研修事業 1/16 久里浜病院 「施設見学会」開催 10
第10回 1/17 全体研修会について 10
研修事業 2/8~9 ニュー
ウェルシティ
湯河原
「全体研修会」開催 10
研修事業 3/1 かながわ
県民
センター
「中堅研修会Ⅱ」開催 16

開催事業

事業名 月 日 場所 内容 参加数
基礎
研修会
パートⅠ
7/27
(金)

9:50

17:00
藤沢
商工会館
ミナ
パーク
  • 講義「精神障害者の地域生活支援の歴史と社会資源の概要」
    講師:戸髙 洋充 氏(県精連理事長)
  • 講義「統合失調症の理解と対応」
    講師:川本 絵理 氏
    【精神科医 神奈川県精神保健福祉センター 技幹】
  • 4部会の紹介
    • 「日中支援活動部会」
    • 「地域活動支援センター部会」
    • 「相談支援部会」
    • 「グループホーム部会」
  • 講義・グループワーク
    「支援者としての役割 ~そもそも支援とは~」
    講師:伊東 秀幸 氏
    【田園調布学園大学 教授】
35
基礎
研修会
パートⅡ-①
10/25
(木)

10:00

16:30
藤沢
商工会館
ミナ
パーク
  • 講義「統合失調症の回復」
    講師:工藤潤一郎 氏
    【精神科医 工藤メンタルクリニック院長】
  • 講義 グループワーク
    「利用者の想いを意識して支援していますか?
    ~ご本人主体の支援を考える~」
    講師:柏 美樹 氏
    【精神保健福祉士・相談支援専門員】
23
ハート
メッセージ
11/16
(金)

13:00

16:00
秦野市
文化会館
小ホール
  • 「ハートメッセージ2018 in 秦野」
    • 体験発表 9名
    • 作業所アトラクション
       文化活動の発表 4組
    • バザー出店 7事業所
220
中堅
研修会
パートⅠ
12/4
(火)

18:00

19:45
かながわ
県民
センター
7階711
  • 講義
    「個人情報保護法改正の概要と取り組むべき課題について」
    講師:内嶋 順一 氏
    (みなと横浜法律事務所 弁護士)
21
施設
見学会
1/16
(水)

13:30

15:30
久里浜
医療
センター
  • 久里浜医療センターの紹介と院内見学
       福祉医療相談室職員 2名
26
全体
研修会
2/8
(金)
13:00



2/9
(土)
12:00
ニュー
ウェル
シティ
湯河原

第1日

  • 講義・グループワーク
    「支援者のストレングスは何か? ~自分を知る事で相手を活かす~」
    講師:内嶋 順一 氏
    (みなと横浜法律事務所 弁護士)
  • 理事会・委員会・部会からの報告

第2日

  • 講義 ・グループワーク
    「重度かつ慢性でも地域で暮らせる」
    講師:櫻庭 孝子 氏
    (横浜市「おきな草」「福寿草」管理者)
80
中堅
研修会
パートⅡ
3/1
(金)

18:00

20:00
かながわ
県民
センター
302号室
  • 「個人情報保護法改正の概要と取り組むべき課題について パートⅡ」
  • 先行事業所報告
    ①社会福祉法人藤沢ひまわりの取り組み
    ②社会福祉法人秦野なでしこ会の取り組み
  • 講義
    「先行事業所の取組みから見える今後取組むべき課題とは」
    講師:内嶋 順一 氏
    (みなと横浜法律事務所 弁護士)
16

会計報告

収入の部

項目 予算額 決算額 備考
県精連事業費 1,200,000 1,282,459
事業収入
基礎研修参加費 1,260,500 1,260,500 基礎研修会Ⅰ・Ⅱ
全体研修会
合計 3,520,000 2,542,959

支出の部

項目 予算額 決算額 備考
委員活動費 350,000 198,861 会議室使用料 
委員活動費 等
研修事業費 2,650,000 2,058,371
基礎研修会Ⅰ・Ⅱ 250,000 262,110 会場費 講師代 等
施設見学会 0 0
中堅研修会Ⅰ・Ⅱ 150,000 82,459
ハートメッセージ 450,000 447,869 会場費 出演者謝礼金等
一泊研修会 1,800,000 1,304,993
小計 3,000,000 2,257,232
285,727 県精連へ返還
合計 3,000,000 2,542,959

総括

「基礎研修会パートⅠ」

今年度は7月に藤沢商工会館ミナパークで行いました。

午前中は二部構成で、まず県精連理事の戸高より、「精神障碍者の地域生活支援の歴史と社会資源の概要」というテーマで講義を行いました。利用可能な社会資源の歴史や法律・制度の変革を振り返りながら、今後の課題について確認しました。

次に、神奈川県精神保健福祉センター技幹 川本絵里氏に、「統合失調症の理解と対応」についてお話して頂きました。統合失調症という病気の症状・原因を理解し、対応の工夫やかかわり方について学びました。

午後は県精連の4部会の紹介をした後、「支援者としての役割~そもそも支援とは~」のテーマで、田園調布学園大学教授 伊東秀幸氏に講義とグループワークをお願いしました。

支援とはどういうことで私たちの役割や求められていることは何なのか。この研修では社会資源や技法を学ぶなかで利用者の一人ひとりを取り巻く環境や歴史を理解し受け止めることの大切さを学ぶことが出来たと思います

2019年度への提言

基礎研修会は、知識や技術を身につけるための勉強の場であり、他の作業所との交流を深める場でもあります。地域での輪を広げて行くことでお互いが顔の見える関係作りに繋がり、より良い地域ネットワークづくりができる関係でありたいと思います。

(担当 横須賀三浦ブロック
:磯野・高野)

「基礎研修パートⅡ」

午前中は工藤メンタルクリニック院長の工藤潤一郎氏より、「統合失調症の回復」というテーマで講義をしていただきました。精神科病院に勤務されていた頃の経験や事例を交えながら、統合失調症とはどのような病気であるのか、回復のためにはどんな関わりが必要なのかをお話していただきました。統合失調症の症状や薬についての話を聞けて良かったと好評でした。

午後は精神保健福祉士・相談支援専門員の柏美樹氏より「利用者の『想い』を意識して支援していますか?~ご本人主体の支援を考える~」というテーマで講義とグループワークをしていただきました。意思決定支援の考え方を基に、そもそも支援とは何なのか、支援者の役割とは何か、という事を講義していただいた後に、グループワークでは日常の中で実際に思いを大切にした場面や支援する際の大切なことについて話し合いました。

2019年度への提言

小さい法人や事業所であると入職しても気軽に話せる同期がいない、また、小さい職場では新人向けの研修の企画が難しいという話を聞いた事があります。研修会の場において、事業所や法人という枠組みを超えて様々な職種・地域の職員が集まって顔を合わせることで、関係性が生まれ、そこからネットワークが構築されてきました。これからも基礎研修会が知識や技術の向上に加え、つながりを作り、広げていく場になっていくことを望みます。

(担当 鎌倉逗葉ブロック
:中村・加藤)

「ハートメッセージ2018 in 秦野」

2018年11月16日(金)、秦野市文化会館小ホールにて「ハートメッセージ2018 in秦野」を開催致しました。今回は秦野市と共催という形で行いました。副題は「ハートがいたんでも だいじょうぶ のんびりいこう」です。

参加者は全体で約250名、体験発表者は9名、アトラクション発表者は4名、バザー出店は6店舗でした。当事者を含めた実行委員は9名でした。

今回のハートメッセージは、秦野・足柄上ブロックが担当になりました。ブロック内事業所に通う利用者が立候補して実行委員となり、司会、受付、舞台設営等、役割を務めて頂きました。また事業所職員の方々の協力も頂きました。

本番に向けて、実行委員会は2度行いました。1回目は、研修委員と実行委員の顔合わせ、役割分担の確認を行い、2回目は、発表者の方も参加して頂き、顔合わせ、会場、楽屋の下見を行いました。2回の委員会を通して、実行委員、発表者の発表会に向けての想いを知ることが出来ました。

体験発表、アトラクション発表者は県内の幅広いエリアから参加して頂きました。

体験発表では、これまでの生き方、苦しかった過去、たどり着いた現在の生活、これからへの想いをしっかりと自分の言葉で、中にはユーモアを交えて発表される方もいました。自分の内面にある想いを人前で話すことは勇気のいることだと思いますが、皆さん、堂々と発表されていました。

アトラクションでは、ケーナやギター弾き語り、ピアノ、サックス演奏が披露されました。

体験発表会という独特な緊張感の中、日頃の練習の成果を発揮され、聴いている人に癒やしと、感動を与えてくれました。

反省点は、各担当者様への連絡が上手く行かなかったことです。初めて参加される事業所への確認が不十分であったこと。連絡が届いていない事業所があり、こちらがそれを把握出来ていなかったこともありました。担当者様に余計な心配させてしまったことは反省するところです。

体験発表会後のアンケートを見ても、勇気づけられた、勉強になった、演奏に感動した。自分も今度は出たい、私も頑張りたいという意見が多く見られました。「誰かの勇気がまた誰かの勇気になる」、使い古された言葉かもしれませんが、そんなことを実感できる発表会になったのではと思います。

今後もハートメッセージが繋がり、広がっていくことで、誰かの笑顔や勇気が増えていく事を期待しています。

2019年度への提言

ハートメッセージは、大きなイベントです。準備には長い期間を要しますし、協力も幅広くお願いしていくことになります。ですので計画性を持って取り組むことが肝心です。いつまでに何を準備していくか、どこまで決めておくか?前任者に相談する、過去の取り組み方を参考にすることができればスケジュール管理も容易になると思います。

また実行委員、発表者、事業所の職員とは、丁寧な関わりが求められます。本番に向けて準備の中心となるのは、担当研修委員になるかもしれませんが、多くの方の協力を得ることが出来れば、成功に向けて大きな助けになると思います。またそれ自体が一つの成功と言えるかもしれません。ぜひ皆さんと一緒に来年度もより良いハートメッセージを作っていって下さい。

(担当 秦野・足柄上ブロック
:成瀬・湯川)

「施設見学会」

今年度は基礎研修会とは別個に施設見学会を行いました。

会場は、久里浜医療センターで、前半は病院のご紹介と院内の見学をさせて頂きました。

旧病棟から新設の医療観察法病棟(こちらは残念ながら入口まででしたが)まで、様々な所を見学させて頂き、大変興味深く改めて精神科医療に対する理解・関心を深めさせて頂きました。

後半は研修棟にて、「久里浜医療センターの現状と取り組み」として現状行なわれているアルコール、最近話題のネット依存など、現状の様々な専門外来や地域との連携に関して、前園PSWよりご講演頂きました。

近年は患者の高齢化による認知症の対応や、発達障害等の一般的な福祉サービスに乗り難い疾患の増加等により、今まで以上に各専門職・機関との連携が重要になる旨の説明や各所での取組等をご紹介頂きました。

私たちとしても、どのように地域の事業所とつながり、退院後の生活等をどうバックアップしていくか、お互いの必要な視点を再確認することが出来、とても有意義な講義であったと思います。

少し時間設定が駆け足だった感もあり、ご参加の方にはご迷惑おかけしましたが、前園PSWはじめ、久里浜病院のスタッフの方には丁寧に対応して頂き、非常に良い研修になったのではないかと思います。

2019年度への提言

今年は施設見学会を別個に開催しましたが、こういうやり方も良いのかなと思いました。

ただ、参加者の中には病院側の事情もあるのでしょうが、「もう少し詳しく内部を見たかった」ですとか、「もっと詳しく現場のスタッフの方の意見が聴ければ良かった」という感想を持たれた方もいました。

そうなると、昨年曽我病院で行ったような見学会兼研修会として、ディスカッションやグループワークなどが出来る形の開催方法も検討するなどして、新たな研修の在り方を考えていってもらえればと思いました。

(担当 鎌倉逗葉ブロック
 : 中村
藤沢大和ブロック
 : 橘川)

「全体研修会」

第1日目は、「支援者のストレングスとは何か?~自分を知る事で相手を活かす」というテーマで、講師には県精連の顧問弁護士である内嶋順一氏をお招きして、研修を行いました。

日々の支援で利用者の方のストレングスを伸ばすことで目標の達成を目指していると思います。

ですが、今回は各支援者が持っているストレングスとは何かを振り返ることで今後の支援に活かしてもらえたらと思い企画しました。

この案は、様々な団体の顧問をされている講師の内嶋氏から、利用者ではなく支援者にスポットを当ててみるというヒントをもらって立案しました。

グループワークでは、各自のストレングスは何か?から始まり私たち支援者が日々行っていることやなぜそれを行うのか等の支援の掘り下げを行い、改めて自己認識をして今まで見えていなかった自分自身のストレングスを発見できたのではないかと思います。

第2日目は、横浜市にあります高齢精神障がい者のグループホーム「おきな草」「福寿草」でそれぞれ管理者をされている櫻庭孝子氏を講師に迎えました。

「重度かつ慢性でも地域で暮らせる」の講義とグループワークをしていただきました。

「おきな草」「福寿草」は、横浜市のモデル事業として慢性期精神障がい者の介護と看取りを行う24時間対応のグループホームです。

講義の中で、「(入居者が)どこで死ぬかより、どのような支援を受け、どう生きていくのかが大事」と、力強いお言葉で話してくださったのが印象に残っています。

グループワークでは、講師が提供してくださった事例にこだわらず、講義の感想も交えながら話し合いを進めることができました。

2019年度への提言

今回の全体研修は例年と比べて人数が少なくなりましたが、懇親会では事業所職員の出し物があり、好評に終わりました。

2日間を通して他事業所の職員との情報交換や横のつながりができた研修になったと思います。

アンケートでは、様々なご意見やご感想をいただきました。

来年度は本年度のアンケートを踏まえた上で、今まで以上に皆様が参加したいと思える全体研修会を開催していただきたいと思います。

(担当 藤沢大和ブロック
 : 松山
県央県北ブロック
 : 箕
湘南西湘ブロック
 : 相原)